逆転力~ピンチを待て~

指原莉乃さんの『逆転力~ピンチを待て~』

2時間くらいですぐに読めました。

 

アイドルが好きな大分の普通の女の子。

いじめられてひきこもりで、自分を打破したくてAKB48のオーディションを受けたらなんと合格。

少しは顔にも自信があったけど、なかなか前へ出れずに正統派アイドルを諦める。

勇気を出してたくさん失敗し、振られたことは全てしっかりこなし、ブログ更新ギネスにも挑戦し、だんだん今のキャラを確立していく。

「自分は他人が見つけてくれる」

「同じ土俵で戦わないこと」

「自分ではただの計算高い女だなと思ってます。」

「私は、アンチが多いと思ってます。」

などなど、指原さんが飾らず、等身大の言葉を並べているのが印象的です。

 

共感できるところとそうでないところがありました。

イジられることでキャラが立つ、というのは私もそれで生きてきたような人間なので大共感。アイドルがこんなこと言うなんてすごい時代だ。

全員に好かれないのは当たり前だという考え方も、指原さんと同じ歳だけ生きてきましたが、だんだん思うようになってきました。

ライバル心がないところはわかりませんでした。負けて悔しいという気持ちがなくてここまでやってこれたのは、それもある意味才能なのかもしれません。

 

私の一番好きなところ。

本の最後です。

今年のはじめに、HKT48の九州ツアーで、初めて地元大分で凱旋コンサートをしたんです。

会場は、小学校5年生の時に初めてアイドルのコンサートを見た、あのグランシアタでした。

(中略)

ミキティが2階席の私のことをピンポイントで見て、私が手を振った瞬間、私に手を振り返してくれたんです。

(中略)

自分でグランシアタのステージに立ってみて、分かりました。私が座っていた席の人が手を振ったら、はっきり見える。やっぱりミキティは私だけに手を振っていた!

(中略)

アイドルに憧れていた昔の私に、手を振ってあげることができた気がしました。

「アイドルに憧れていた昔の私に、手を振ってあげることができた気がしました。」

数々の苦難を乗り越えて、今や国民的アイドルAKB48のセンターに上り詰めた指原さんが「いい話をしていいですか?」という切り出しで話し始めたのがこのエピソード。

なんだかほっこりするし、この親近感がファンを増やしていったのだと思いました。

 

指原さんのこと、正直そんなに好印象ではなかったのですが、すごく好きになってしまいました。これも指原さんの思う壺なのかもしれませんね。